帝劇スタッフに聞いた!リニューアル後の新たな魅力、変わらない魅力
「今日は帝劇、明日は三越」、明治末から大正時代にかけてそんなキャッチコピーが生まれるほど、帝国劇場(以下、帝劇)は当時から人々にとって憧れの場所でした。
1911年に日本初の本格的な西洋式演劇劇場として誕生して以来、昨今では『レ・ミゼラブル』や『Endless SHOCK』といったミュージカル作品を中心に上演を重ね、多くの演劇ファンに愛されています。その帝劇が、2018年夏に劇場のリニューアルを行いました。
というわけで、劇場取材シリーズ第一弾は、なんと演劇の殿堂・帝劇です!
今回は帝劇の運営スタッフ様とSHOPスタッフ様へのインタビューを通し、リニューアルした帝劇をご紹介いただきつつ、その変わらない魅力を語っていただきました。
時代と共に変わっていくサービス
ロビーを華やかにする、横一面に広がる色鮮やかなステンドグラス「律動」
−−今回のリニューアルに至った経緯を教えてください。
運営スタッフ:1966年より現在の外観・内装でお客様をお迎えしていましたが、お陰様で多岐の作品に渡り多くのお客様にご来場いただいております。
その中で、劇場全体を改めて見直し、改善できるところはより良くしていこうと思い、何よりもいらしていただくお客様へのサービスを第一に考えました。
−−リニューアルによって、具体的にどこがどのように変わりましたか?
運営スタッフ:劇場玄関口の照明の数が増えたことで、より明るく華やかになりました。お足元の絨毯も新しく入れ替えています。
私は、お客様が劇場に着いたときに「今日は舞台を観に来たんだ!」と感じていただきたいと考えております。帝劇特有のクラシックな建物の造りや華やかさ、ワインレッド色の絨毯によって、劇場ならではの非日常の雰囲気を改めてお楽しみいただければ嬉しいですね。
客席は、椅子を全て新しいものに入れ替えました。座ったときの弾力などで、お客様にも違いを実感いただけると思います。ちなみに、シートの高さや位置はお座わりいただいたときに少しでもご覧いただきやすいよう、細かい点で調整を致しました。
また、お化粧室も全面リニューアルしています。ウォシュレットを追加し、空室状況を確認できるモニターパネルも設置しました。約25分の休憩時間で、1,800人以上のお客様にストレスなくお化粧室をお使いいただけるよう、お客様のご不便を緩和していきたいと思います。
パワーアップしたSHOPメニュー
フレッシュサンドウイッチ各種 550円~(写真提供:TOHOリテール株式会社)
−−SHOPのメニューも大きく変わったと思うのですが、その中でも特に注目の新メニューを教えてください。
SHOPスタッフ:お土産で言いますと、帝劇オリジナルデザインのボールペン(500円)と、赤坂TOP’Sさんとコラボレーションしたチョコバウム(1,300円)が新たな目玉商品として加わりました。
食事系では、サンドウイッチがフレッシュな具材をふんだんに使った贅沢なものになり、様々な味をお試しいただくことができます。
−−リニューアル後、帝劇の定番メニューでもあった豚まんやチュリトスが無くなったことを悲しむ声が目立ちますが・・・
SHOPスタッフ:その件につきましては、私共もお客様から「復活しないのでしょうか?」といったご意見をいただいております。一方で、今までは「メニューがあまり変わらない」というご意見も頂戴しておりました。
今回はリニューアルということで、メニューも新たにカルツォーネ(450円)、プレッツエル(450円)、シューストライプ(300円)などを取り揃えましたところ、豚まんが無くなっても美味しく満足できる商品が揃い、より良くなったと大変ご好評をいただいております。ぜひそちらも新たな定番メニューとして楽しんでいただければと思います。
−−SHOPに関して、メニュー以外に変わったことはありますか?
SHOPスタッフ:これまでのお支払方法は現金のみでしたが、新たにPOSレジを導入しましたので、クレジットカードや電子マネーでの精算も可能になりました。
小海老とブロッコリーのトマトソースリングイネ ドリンクセット1,500円~(写真提供:TOHOリテール株式会社)
−−2階にある喫茶「Café IMPERIAL」もリニューアルされたんですよね?
SHOPスタッフ:従来の「喫茶室」から店名も新たに「Café IMPERIAL」となりました。メニューも新しくなり、パスタセットが2つと、ラタトゥイユのセットが増えました。(※季節によりメニューが変わります。)
これまでの「小腹を満たすための軽食」から、「ワンランク上のお食事」をお楽しみいただけると思います。
幕間はあまり時間がないと思いますので、早めにご来場いただき、開場から開演までの間にご利用いただくのがおすすめです。
帝劇にペットボトルが無い理由
ステンレススチール製のすだれに映り込むステンドグラスが美しい
−−確かに幕間はお手洗いに行く時間が必要ですし、ゆっくりできないこともありますよね。その点、帝劇では2階ロビーにある自販機にお世話になっています。
SHOPスタッフ:自販機は、2階客席のお客様のために昔から設置しております。階段が多く広い劇場なので、少しでも短い時間で2階のお客様にもお飲み物のサービスをご提供できれば、と。
この度のリニューアルに伴い、電子マネーでの精算も可能になりました。
−−ちなみに自販機はペットボトルではなく紙カップのみの取り扱いですが、何か理由があるのでしょうか?
SHOPスタッフ:劇場内という環境では瓶や缶、ペットボトルは、万が一2階客席から落としてしまっては大変危険です。
劇場内は暗いので、足元に放置された瓶、缶、ペットボトルを他のお客様が踏んでしまった際に転倒してしまう恐れがあります。その点、紙コップであればそういった事故を最小限に抑えることができます。
その様な理由で劇場内のSHOPや自販機では、一切そういったものの販売をしておりません。今後もおそらく取り扱うことはないでしょう。昔から続いている、1つのルールです。
これを知っていたら帝劇通!リニューアルの知られざるこだわりポイント
−−今回のリニューアルで、是非ここを見て欲しい!というポイントを教えてください。
運営スタッフ:今回、お荷物などをお預かりする受付カウンターやプログラム販売カウンターもツヤ素材へリニューアルし、ロッカーも一部を新しく入れ替え、個数を増やしました。また、車椅子の方がスムーズにご入場いただけるよう、今回よりお呼出用のインターフォンを新設しています。
そして、正面玄関に間接照明を増設したことで反射光の輝きも増えたのですが、これまで以上に撮影をするお客様も多く、特に劇場名の袖看板と公演看板前のスポットが人気です。
また、細かい箇所になりますが、ロビーの階段に付いているスリップ止めのゴムを入れ替えた際に、留め具の真鍮も新しく致しました。少し離れた所から階段全体をご覧いただくと、以前よりキラキラしているのがお分かりになるかもしれません。また、館内のサイン看板も交換してより見やすく、明るくなりました。
インスタグラム等SNSを楽しむお客様にも是非チェックしていただけたらと思います。
−−最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
SHOPスタッフ:リニューアルし、お客様からは大変ご好評をいただいております。これからも、公演と共にドリンクやグッズ等満足していただける商品を提供してまいります。
劇場にお越しの際は、ぜひ各SHOPやCafé IMPERIALをご利用ください。
運営スタッフ:帝劇へよくお越しいただいているお客様はもちろん、新しいお客様にも是非劇場へいらしていただきたいですね。
『レ・ミゼラブル』や『エリザベート』のような海外発の素晴らしい作品を引き続き上演しつつ、一方で、帝劇ならではの新しい作品にも挑戦していきたいです。
例えば、2018年7月〜8月に上演していた『ナイツ・テイル―騎士物語―』は、今まで帝劇が上演してきた歴史の積み重ねがあって、船出した新作だったと思います。
帝劇の持つ歴史を大切にしながら、「こういう組み合わせがあったか」「このミュージカルは面白そう」とお客様に感じていただけるような新しい驚きもご提供していきたいです。
−−お二人とも、インタビューへのご協力誠にありがとうございました!
劇場情報
◇公式サイト:https://www.toho.co.jp/stage/teigeki/index.php
◇アクセス:
都営三田線日比谷駅下車0分
日比谷線日比谷駅下車4分
千代田線日比谷駅または二重橋前駅下車4分
有楽町線有楽町駅下車0分
※B3出口が帝劇地下2階に直結
JR有楽町駅国際フォーラム口下車3分
◇所在地:東京都千代田区丸の内3-1-1
◇連絡先:03-3213-7221(年末年始を除く10時~18時)
◇客席数:1,897席(演目によって変更あり)
公演情報
新演出版 ミュージカル『マリー・アントワネット』
◇公式サイト:https://www.tohostage.com/ma/
<東京公演>
◇日程:2018年10月8日(月)~11月25日(日)
◇会場:帝国劇場
<愛知公演>
◇日程:2018年12月10日(月)~12月21日(金)
◇会場:御園座
<大阪公演>
◇日程:2019年1月1日(火祝)~1月15日(火)
◇会場:梅田芸術劇場 メインホール
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
◇公式サイト:https://www.tohostage.com/lesmiserables/
<東京公演>
◇日程:
2019年4月15日(月)~18日(木)プレビュー公演
2019年4月19日(金)~5月28日(火)
◇会場:帝国劇場
<愛知公演>
◇日程:2019年6月7日(金)~25日(火)
◇会場:御園座
<大阪公演>
◇日程:2019年7月3日(水)~20日(土)
◇会場:梅田芸術劇場 メインホール
<福岡公演>
◇日程:2019年7月29日(月)~8月26日(月)
◇会場:博多座
<北海道公演>
◇日程:2019年9月10日(火)~17日(火)
◇会場:札幌文化芸術劇場 hitaru
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